トイレで力む話

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大病の後などお通じが中々という声はよく聞く。腰を痛めても内臓を手術しても腹圧が上げられなかったり、脚が踏ん張れなかったり、腸が動かなかったりで便秘の問題は奥が深い。場合によってはそのまま将来便漏れの可能性もあるので、早い内から手を打ちたいと思っている方は多いが、何をしたらいいか分からないという。少し治療法を列記したい。

1.四股を踏んで股関節や内転筋などを鍛える。腸も筋肉なので筋力低下は避けたい。
2.鍼灸で刺激をする。恥骨の上や肛門周辺、仙骨周辺には腸に刺激を与えるツボが並んでいる。
3.温灸器を使う。下腹が冷えていると腸は動かない。お風呂で温めてもいいが、鍼灸のツボだけ選択的に刺激を与える。
4.下剤を使う。センナのように無理矢理腸を動かすものではなく、ミルマグ液のように便に水を含ませ柔らかくして排便を促す。
5.浣腸を使う。日本ではイチジク浣腸が手軽だが、外国では「コーヒーエネマ」といって、家庭で出来る物がセットで売っている。しかしこれは少し賛否両論あるので、イチジク程度で済ませたいところである。
6.繊維食を増やす。特に男性の単身赴任だと外食か手軽な料理になってしまい、食べている内容を見るとほとんど繊維がない。今の時期、金平やけんちん汁、ひじきなどはお薦めである。当院では「真っ黒金平」と言っている。
7.乳酸菌を変えてみる。乳酸菌も慣れると効きにくくなる。最近は久光の乳酸菌をよく勧めている。
8.普段の生活で、「何を食べた。」より「どういう状況で食べた。」で自分の腸が反応するかを見る。私などは理由はわからないが、本屋に行くと必ずもよおす。理由はインクの匂いだと思って実験したら、どうも好奇心が関係しているみたいだ。本屋以外でもワクワクするとトイレに行きたくなる。胃腸は解剖すると自律神経が網のようにからみついている。これではストレスでやられるわけだと思ってしまう。逆に自律神経を無視して、何を食べただけでは腸は動かない。すこし時間がかかってもいいから、自分の気分と腸の状態を知ると治療しやすい。
9.時間があればウォシュレットで肛門を刺激する。
10.食後はゆっくりしてトイレに行く習慣をつける。

色々と試して戴きたい。そして体調は変わるので今までのやり方が常に効くわけではない。体調の変化とにらめっこで戦略も変わる。

2019年1月12日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中