介護と鬱病と離婚

印刷する

重いテーマだが、仕事柄良くこの話が出る。大体は嫁が義理の母の介護で疲れ切ってしまう。旦那に相談しても返事がなく、いつまで続くか分からない介護に希望がなくなる。人間はゴールが決まっていれば踏ん張れるが、ゴールが分からないものには力が出ない。介護で疲れている方達を診ると初めは善意、やがては義務と責任感、最後は惰性である。どうやっても身体が動かず、自分は何のために生きているのかわからなくなる。来る日も来る日も食事と下の世話。週に一度でも完全にオフの日があればいいが、中々お金もかかりそうはいかない。うちみたいな所に来て愚痴を言っているうちはいいが、やがて言わなくなる。こうなると殆ど鬱病である。その後は夫婦離婚と相場が決まっている。人生の最後に試練が待っている。何とか回避出来ないかと考えているが、まず女性が介護をする場合は自分の体調、特に閉経後の方が多いので、ホルモン値を測ってもらうといい。極端に低いとやる気は出ないし、急に顔だけ熱くなったり、脈が乱れたり、不眠症になる。出てくる症状はワンパターンである。婦人科で治療出来れば良いが、漢方薬でもいいものがある。そして出来れば最低週に一度、介護から完全に解放される。泊まりに行ってもいいし、映画やおしゃべりなんでもいい。その日があると思うだけであと3日すればお休みと頑張れる。これはお金で解決するしかない。長い介護生活ではこれは必要経費だと思う。ここがクリア出来ないと鬱病と離婚が待っている。殆ど同じパターンである。以前、新米ママの所でも書いたが、原理は全く同じである。介護も子育ても尊いことだが、志だけで出来る程甘くはない。私は嫁さんの身体と心にお金をかけるしかないと思っている。介護で大変な思いをしている方の体を診ながら、こんな事が浮かんだ。

2017年5月14日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中