坐ってお灸をする話

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鍼灸学生時代にお灸の実技で患者役をベッドに寝かせてやっていたら、先生から「そのツボは坐ってとりなさい。」と指導された。当時は寝ていても坐ってもツボは同じなのだから効果は変わらないと考えていたら、最近自分がお灸を受ける場面になってその明確な違いを感じた。患者が寝てツボを取ると極端にツボがずれる。それもビックリするぐらい。しかし先生の指導の通りにやると常に安定したところに治療ができる。その先生は当時お灸だけで十分患者が溢れていて、有名な先生だった。そしてその先生がよく、「最後はお灸で決めるのよ。」とよく言っていた。最近この言葉がしみる。坐骨神経痛は途中までは鍼でいいが、うずいたりすると鍼よりお灸の方がよく効く。鍼でズシーンとくるより、お灸でピリッときた方が深部まで確実に刺激が届く。五十肩も最近はお灸をよく使う。しかしこのお灸は跡が残るのが玉にキズある。最近は灸点紙と言ってアルミを1枚お灸との間に入れて少し優しくするやり方もあるが、それでも多少跡は残る。私などはもうかまわないが、女性には評判が悪い。私も以前、五十肩で肩がうずいた時は直にお灸をしてくれとスタッフに頼んだが、いざ痛みが取れてしまうとやはり跡を見てしまう。人の心理とはそういうものだ。

2016年11月2日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中