整形外科で静かな革命

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トライアスロンをやっている常連さんが、医者に紹介されて整形の専門病院に行ったという。詳しく調べていただいて問題はなかったのだが、股関節のMRIを見ながら、「これは一般の医者に言っても知らない。普通ならCD-ROMを渡すのだが、見てもわからないから、紹介元の先生にはメールをしておく。そしてあなたの場合はじょうそうしきんを刺激しなさい。」と言われたという。この常連さんは治療にかなりのお金をかけているので大抵筋肉を説明されて分かるのだが、「じょうそうしきん???聞いたことない。何処にあるの?」と言う。「それは上双子筋といって、図(赤い線でSGと説明されている筋肉、黄色く下に伸びているのが坐骨神経)のように坐骨神経が出たところのすぐ下です。坐骨神経痛の治療にはよく使います。それにしてもそんなに詳しい話をされたんですか。まるでオリンピック選手に対する指導みたいですね。」と言ったら、「自分の後の患者はプロ選手みたいだった。」と言う。最近整形外科で静かな革命が起きている。一昔前なら、こんな難しい説明はしなかった。しかしMRIや超音波診断装置のおかげで、筋肉の動きが昔よりかなり細かくわかるようになり、解剖図も最近は詳細な物が多い。私が今勉強している筋膜リリースもセミナーに出る度に、自分の知識のなさを思い知らされる。解剖見学は700時間ぐらいこなしているので大抵は困らないと思っていたが、セミナーの内容がもう研究者、学者レベルの内容である。基礎からまた勉強しないとついていけないと感じている。この流れはもう止められない。あと数年すると極端に詳しいことまで勉強した先生が抜群の治療成績を上げ、今までの整形外科でやっていたことを繰り返す先生が食べられなくなる。医療の世界も静かに2極化がもう進んでいる。

2017年8月14日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中