歌い手さんに一言

印刷する

歌を職業にしている方が何人か来ている。若い時は良いが30才を越えたら耳鼻科に定期的に診て頂く方がいい。以前小唄の先生を有名な耳鼻科にお連れしたとき、担当の先生には何も情報を伝えなかったのに喉を診た途端、「あなたは10000人に一人の声帯を持った方だ。歌を何かやっているんでしょう。」と言われ、小唄の先生はすっかりご満悦で、「あの先生は名医だ。」と言っていた。その耳鼻科の先生はご自身、バリトン歌手で歌のことは良くわかっている。専門の先生に診て頂くと、「あなたの声帯は○○だから、高音はあまり出ない。中音はもっと使える。低音はあなたが思っている以上出せるから訓練しなさい。」など、声帯からその特徴を割り出し、練習法や間違った使い方など指導して頂ける。出来れば普段から診て頂いておくと、練習のしすぎなどでおかしくなった時に適切に指導して頂ける。悪い時だけ診てもこれがどういう状態なのか判断に困る。「いつも○○だけど高音を使いすぎると○○になるんだ。では○○の治療を普段から追加しておくので今後は大丈夫だ。」昔の先生は内視鏡もなかったので、状況を正確に把握出来なかった。声の感じなどで勘でやっていた。声帯など喉を覗いて見えるものではないので、奥まで勘で薬を塗っていた。今から思うとすごい技術である。いまは内視鏡で画像を見ながら正確に診断、治療ができる。特にプロの方はこの意識が大事である。これは聞いた話だかが、ある歌手の方は本番が近づくと1週間ホテルで缶詰になるという。家族とも挨拶を交わさない。完全に声帯を休めるためである。やはりプロは違うと思った。

2017年4月6日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中