残り5%の痛み

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常連さんが五十肩で通っている。一時期よりはいいがまだ夜間痛があり、神経ブロックを受けようと麻酔医を訪ねたら、「先生、肩をこういう角度にするとここが痛むんです。」と言ったら、「そういう角度にしなければいいじゃない。命に別状はないし・・・。」と言われて驚いてしまったという。その後うちに来て、「僕も昔は100%治そうと思っていたが、段々やっていくうちに80点でいいやと思うようになった。理由は100の痛みを80取って20にするのは簡単。残り20を5にするのは至難の業、最後の5を取ってくれと言われるとこっちは頭を抱えてしまう。その残りわずかを取るためにどれだけの周りの環境を整えなければならないかが段々わかってきた。周りの環境を100%近くにしないとたった残りの5が取れない。まして五十肩はほおっておいても必ず治る。残りを取るためにどれだけの手間と時間がかかるかわからず、現実は患者さんは来なくなる。だから80点で十分。」と言われて、「又同じ事を言われてしまった。」と言っていた。仕事柄、「先生あと痛みが7%残っています。」と言われると、本当に困ってしまう。「物事60点で及第点。大体でいい。」と言ってしまう。そんな時、「何秒痛いの?」と聞くと、「3秒ぐらいです。」と言う。「1日に24時間×60分×60秒(86400秒)あって、その中のたった3秒だよ。0.0000347だよ。痛いときにそこに目と気持ちがいくのはわかるけど、そこまで大げさにするほどのことはないと思う。昔子供の頃、転んでかさぶたが出来ると風呂に入ってすぐに剥いていた子みたいだ。血だらけになってもまたすぐ剥く。また少し歯がグラグラするとそればかりいじって、どんどんグラグラさせて痛みを楽しむタイプ。そんな事をイメージしてしまう。人間には確かにそう言うところはあるが、わざわざ重箱の隅を突かなくてもいいと思ってしまう。」といつも言っている。

2018年11月29日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中