身体を基準にした生き方

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1年前に心臓を手術したが何となく調子が悪く、最近肺炎で入院したという話を聞いた。これはよくあることで、患者さんは心臓の手術をすれば完治して、すごく元気になると思っているがいまいち調子の出ない方は多い。そんな中仕事もセーブせず、手術をしたのだから大丈夫とばかりに頑張ると、免疫の低下と共に肺炎を起こす。本人は、「こんなはずではなかった。」と言うが、我々から見ると、「やはりやりましたか。」と言いたくなってしまう。1回の手術で身体に対して負担は大きく、本人が想像出来ない部分も沢山ある。こういう仕事をしていると、今患者さんがどれだけ体力、精神力、ストレス度合いなど手に取るようにわかる。人間ある程度の年になったら、「身体を基準にした生き方」が大切である。身体の現状に即して仕事を決める。身体がいやと言ったら休む。中々日本人には出来ない生き方だ。命を縮めても仕事をやりたいという方もいるし、仕事が出来ない身体になって、こんな事になるとは思わなかったという方もいる。我々は一度身体を診せて頂ければ、身体がどういう状態で、何を訴えているのかお伝えできる。それを知ってから生き方を決め手もいいと思うのだが、これは日本人にとっては新しい生き方で、すぐには浸透しないだろう。人に迷惑をかけないとか、我慢は美徳、恥を知れとか、日本人には染みついている。何百年か経ってから、「身体を基準にした生き方」が常識になると思う。当分は我慢しなくてはならない社会である。ほんの少しでいいから、身体の訴えを聞いて欲しいと願っている。

無題

2016年4月17日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中