顎の打撲と寝相

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小さい子が転んで顎をぶつけたという。母親が心配して、「顔がどんどん腫れてどうしよう。」と言う。こういう場合我々が気にするのは下記の3点である。

1.顎関節がやられていないか。
2.脳への影響はないか
3.顔面神経麻痺を起こさないか

である。まず転んで下顎の骨に負担がかかると顎関節を痛めやすい。顔の腫れが引いても口を開ける時に痛がったり、噛めなかったりが何時までも残っていると顎関節症を疑う。次に脳への影響だが、鞭打ちなどでも大抵は1週間ぐらいで症状は大体出る。それを過ぎて出なければおおよそ大丈夫と言っていい。しかし2ヶ月ぐらいして硬膜下血腫という例もある。転んですぐに頭のMRIを撮ったから大丈夫と言うわけではない。次にケースとしては少ないが顎をぶつけたり擦り傷の場合、顔面神経を痛めると顔の動きが少し悪くなる。こんな事が頭に浮かんでしまうのだが、母親にしてみるとこの腫れをどうしようかという話になるのは理解出来る。場所的に顎下腺など近いところなので簡単に腫れる。こういう場合熱も出るし、口も開けづらいだろうから、アイスクリームなどを食べさせるといい。噛まなくてもいいし、口を開けなくてもいい。甘くて冷たいから子供は大喜びである。そして夜心配になって、寝相を見ていたら普段と全く動きが違うという。普段は寝相の悪いのが当たり前だが、全く動かないのでこれまた心配だという。これは動物を見ていればわかることだが、傷ついた時はじっとして安静を保ち、体力の温存をはかっている。心配する必要はないのだが、何を見ても心配の種になってしまう。全て説明したら、母親の顔色が変わった。やれやれである。

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2015年10月22日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中