ストレス解消のため走って坐骨神経痛悪化

最近ブームなのかマラソンの方がよく来る。話を聞くと突然走りたくなったという。昨日来た方も走り出したら坐骨神経痛が出て鍼で治療してもらったという。80%ぐらいは治ったが、残りが取れないという。たまたま私のブログを見て、治療を受けたくなったという。こういう方は初診から坐骨神経痛の痛みの原因が腰にない話をする。理由は簡単である。腰や筋肉、神経だけの問題ならよそで治っているはずである。どうしても取れない部分があること自体、肝心な原因にメスを入れていない証拠である。治療をしていくうちに胃経の反応やお腹の硬さ、ストレスの反応、胃薬を合わせたら太田胃散(ストレス性胃炎によく効く)が合うことなど、ストレスが原因の胃炎を起こしていることがすぐに分かった。話を聞いたら、仕事のストレスで発汗したくて走りたくなったというのである。しかし胃が悪いまま走ると腹筋が働かないので、腰に大きな負担が来る。当然、坐骨神経痛を起こす。胃をちゃんと治して走ればいいだけの話しなのだが、胃は何とも感じないから、腰ばかり治療する。しかし腰が治らない。ピントがずれているのである。気持ちは分かるが、治療には順番がある。色々やってどうしても完治しない場合、治療のピントがずれていることはまちがいない。こういう方は実に多い。考えたり、言われれば当たり前のことなのだが、気がつかない。治るのにも理由があるし、治らないのにも理由がある。腰は治療を受けてもまだ足らないよと言っているのである。だから見方を変えろと言っているのである。腰の意見に素直に従えば、解決した痛みである。

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