人は群れるもの

患者さんでも長く通っていると老後の話がよく出る。「私結婚していないから老後が不安。」「子供がいないから旦那が死んだ後どうしようか悩んでいる。」色々と老後の悩みはつきない。ある時私が冗談で、「これは例えばの話しですよ。僕が引退してここにビルでも建てたとします。老人ホーム、僕から見たら昔の下宿屋ですが、広いリビングと個室があり、好きなときに好きな場所にいられるようにします。1階は治療院を作って、その隣は皆さんペットを飼うでしょうから動物病院、大家は僕、そこで死ぬまでの権利を2000万とするとどう思いますか?」と言ったら、ビックリするほど皆さんの反応が良い。「2000万円持ってくるから建てて。」とか、「旦那が死んだ後入る。」とか、女性の場合はどうもご主人が死んだ後のことをよく考えている。少し話しただけなのに、4人ぐらいが持ってくると言う。少し考えると15人で3億、20人で4億、建てるのには十分な金額である。夢物語なのだが、これをある社長に話したら、「そのビジネスモデルはもうやっている人がいる。良いアイデアだ。出来るぞ。」と言う。冗談でいった話だから腹は決まっていないが、そういう話をしながらいかに人は一人では生きなられないかを思い知った。衣食住が足りて時間とお金があると次の人間の要求は群れることである。海外の学会に行っても日本人同士よく群れている。朝から晩まで一緒である。 どうも日本人はこの傾向が強い。農耕民族の影響なのか本当によく群れると感じている。

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