人生を幸せにするのは何?

ロバート・ウォールディンガー
人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から引用抜粋

一生を通して私たちを 健康で幸福にしてくれるのは何でしょう?
ハーバード成人発達研究は史上最も長期に渡って成人を追跡した研究です。
この様な研究は非常に稀です。
これから分かった事は彼らの人生から得た何万ページにもなる情報から分かった事は何でしょう?
それは富でも名声でも無我夢中で働く事でもなく75年に渡る研究からはっきりと分かった事は私たちを健康に幸福にするのは良い人間関係に尽きるという事です。
これから人間関係に関して3つの大きな教訓がありました
第一に周りとのつながりは健康に本当に良いという事。
孤独は命取りで家族友達コミュニティとよく繋がっている人程幸せで身体的に健康でつながりの少ない人より長生きするという事が分かりました。
中年になり健康の衰えは早く脳機能の減退も早期に始まり孤独でない人より寿命は短くなります。
ここで重大な事は友人の数だけがものをいうのではなく生涯を共にする相手の有無でもないのです。
重要なのは身近な人達との関係の質なのです。
80代になった時、中年の彼らを振り返り誰が健康で幸せな80代になったか予測してみたかったのです。
彼らが50才の頃に得た彼らのデータを全て集めてみると中年のコレステロール値等とは関連性はなく、どの様な老年を迎えるかは当時の人間関係の満足度で予測される事が分かりました。
50才で最も幸せな人間関係にいた人が80才になっても一番健康だったのです。
親密な良い関係がクッションとなり加齢過程での様々な問題を和らげてくれてるようです。
中でも特にパートナー共に幸福だと感じていた人達は、80代になり身体的苦痛があっても精神的に幸福だという報告が出ています。
人間関係と健康に関して分かった3つ目の大きな事は、良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれるという事です。
堅固な良い関係をしっかりと80代にまで持ち続ける人は、その関係に守られています。
そういう関係にいる人?
何かあった時本当に頼れる人がいると感じている人の記憶ははっきりしています。
一方、パートナーには全く頼れないと感じている人には記憶障害が早期に現れ始めます。
良い人間関係といっても波風がない訳ではありません。
ある80代のカップルは明けても暮れても小言を言い合っているかも知れませんが、お互い頼り合えると感じている限り彼らが苦難に遭遇した時、口論しても後々まで残るという事はありませんでした。
75年間に渡る研究で定年退職後、一番幸福な人は仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んで作った人達です。
近の調査での新世紀世代のようにこの研究の参加者の多くは、彼らが青年期に入った時名声や富や業績が良い生活をするには必要なものだと本当に信じていましたが、75年もの間我々の研究で繰り返し繰り返し示されたのは 最も幸せに過ごして来た人は人間関係に頼った人々だという事した。
それは家族友達やコミュニティだったり様々です。
最後にマーク・トウェインの言葉を引用して終わります。
「かくも短い人生に諍い謝罪し傷心し責任を追及している時間などない。愛し合う為の時間しかない。それが例え一瞬にすぎなくとも。」

 

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