健康のためにテニスを始めて逆効果

これは大分古い話しだが、若い方が健康のためと週に一度テニスを始めた。
多少の心得はあったと見えて、週末が待ち遠しいという。
日曜日に必ず治療をしていたが、ある時治療しながら、

「何時になったら、マッサージをしなくても良くなるのか?健康のためにやっているので、もうそろそろかからなくてもいいと思うのだが・・・。」

というので答えた。

「テニスをしている限り、治療は必要ですよ。テニスをやめればかからなくても良くなりますよ。」

「健康のため筋力をつけているのですが・・・。」

「この状態は筋力がついてきたのではなく、筋肉痛を起こして治る前にまた運動してしまうので、筋肉痛の上塗りが起こっているだけです。だからテニスをやめれば筋肉痛が起こらないので、治療はいらなくなります。」

「・・・・・・・。」

スポーツマンの中には運動した後に何処か痛くならないと、気が済まない方がいる。
確かに多少の筋肉痛で筋力アップするというのは事実だが、少し危険である。
ある程度プロ選手なら自分のことが分かっていて色々と体験しているから、それでもいいのかも知れないが、素人がいきなり何かを始めると健康のために始めたことが逆効果になってしまう。
特に筋肉質の方で昔から身体に自信がある方は危険である。
特にテニスの場合、腕を使うがこの腕、自覚症状が全く出ない。
殆どの方は肘か肩の痛みで来る。
この時にはもう腕は限界を超えているのである。
以前から、お薦めしない3大スポーツは「ゴルフ、スキー、テニス」である。
夏はテニス、冬はスキー、間はゴルフという方はよく来る。
水泳の後に来る方は一人もいない。

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