組織作りと社長の体調

社会的に地位が高く、普段なら逢えない方を仕事の特権で治療することがある。殆どは社長だが、お話を伺っているとなるほどと唸ってしまうことが多い。以前も組織作りの話を伺ったときは唸ってしまった。例えば今100人の組織を作ったとする。レベルを上げるために500人の組織を作る場合、今までの100人を基準にするとうまく出来ないという。ゼロベースで物を考え、今まで作った物を壊すことが大事だと教えて戴いた。世間では「スクラップアンドビルド」とか「ガラガラポン」「大きな消しゴム」などと言うが、言っていることはすべて同じである。新しいものを作ると当然、今までの100人から「今まではこんな出なかった。」と苦情が来る。新しい500人の組織を作ったとして、今までの100人中70人ぐらいは辞めてしまうかも知れない。しかしそれはそれでいいという。30人の中に今までなかった能力を出すものが現れるという。決して70人を切ったのではなく、新しい組織になれば70人は居心地が悪いので、自分の居心地の良い所へ行くから、「ウィンウィン」の関係だという。端から見れば新しい組織のために人を切ったように思われるが、決してそうではない。社長は常に大きな消しゴムを持っていないと発展しないという。この話を伺った当時はよく理解出来なかったので、ある社長が、「軽自動車にポルシェのエンジンを積んだらどうなる?ブレーキなんか効かないよ。やはりエンジンにふさわしい車体がある。」と言われ、成る程と思った。社長はいろいろな事で体調を壊す。こういう決断1つも考え抜いて身体にくる。私はこの仕事のおかげで、答えを始めに教わっている。治療費以上の物をたくさん頂いて育ってきた。教えて戴いた方達に改めて感謝している。

image_print印刷する