足が疲れたら肩で歩く話

学会では先輩から色々とご指導を頂く。先日も、「俺も大分年を取ってきて最近患者に言うことがまるで坊さんみたいになってきた。お前も酒井雄哉大阿闍梨の本を読め。」と言われて読んでみた。酒井雄哉大阿闍梨は比叡山で2度、千日回峰行を達成した方で、長い歴史の中で3人ぐらいしかいないという。どんな内容なのか興味深く読んでいったら、「足が疲れたら肩で歩けば良い」と書いてあった。昔は歩くしか手段がないから、長距離歩く場合は足が痛くなる。右足が痛ければ左足、交互に使えば良い。いよいよ両足くたびれたら腰、そのあとは背中、肩と意識して歩けばその間に他が休めると書いてあった。しんどいところは休ませて、違うところに意識を持っていけば、案外何とかなるというわけだ。これには驚いた。トライアスロンをやっている方に良くこの話をしていた。右膝が痛ければそこに負担をかけず、反対で使い、腰にくれば骨盤で支え・・・。生き方もそうかもしれない。辛い所ばかり目を向けるのではなく、少し休ませて順繰りに使えば人生楽しくなりそうである。

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