夢がこけると身体は治らない
以前、阪神淡路大震災の後、建築業の方が激務になり、現地で根を詰めて仕事をしていた。夏にはオーストラリアの離れ小島に行くことだけを夢見て、仕事を頑張っていた。しかし何か別な理由が出来て、オーストラリアの旅行がいけなくなってしまった。本人は夢に描いて、「もう少し頑張ればオーストラリアだ。と思っていたのであろう、行けないことが決定してからの身体がすごい。全く別人でいくら治療しても反応しない。人は希望がなくなるとこんな身体になるのだということを学んだ。時々、母親が息子の受験に必死で、志望大学に受からなかったときの落ち込んだ身体を診るが、全く同じ状況である。人は希望がないと生きられない。しかしこの希望がなくなると、身体は本人が想像している以上にやられている。本当にすぐには立ち直れない。そういう方を診るたびに、あまり杓子定規に生きない方がいいと感じてしまう。「のらりくらり」ぐらいで丁度良いと思う。