まぶたと肩こり
なかなか治らない肩こりの原因の一つにまぶたの筋肉の問題があります。腱膜性眼瞼下垂症と言って加齢や化粧、コンタクトや眼の擦りすぎなどで、まぶたの板とまぶたを挙げる筋肉をつないでいるすじが、瞼板からはずれてゆるんでしまうことによって起こります。結果、眼瞼下垂になります。これを補うために、眼瞼挙筋に付随しているミュラー筋という小さな筋肉を収縮させてまぶたを開けます。ミュラー筋は交感神経支配で緊張すると頭痛や肩こりなどの原因になります。
これに関しては信州大学形成外科の松尾教授が有名ですが、比較的簡単な手術で治ります。当院でもあまりに肩こりのひどい方を数名ご紹介しましたが、劇的に治った方がいます。ただし、この手術の適応かどうかを見極める必要があるので、肩こりのひどい方がこの手術で全員が楽になるわけではありません。女性の場合は簡単な見分け方があります。よく化粧品売り場で接着剤のようなもので簡単にまぶたを二重にするのが売っていますが、あれを試してみて楽になるようでしたらこの眼瞼下垂の可能性があります。
またこの症状の方は頭皮が異常に硬く、まぶたを上げるのに頭皮の筋肉や首肩の筋肉まで総動員してまぶたを上げようしているんだなぁと感じます。それにより交感神経が常に興奮した状態になり、我々が少しぐらい治療してもまったくと言っていいほど肩は楽になりません。