本当に必要なのは安心

よく「お客様第一主義-顧客満足主義」というがこれに関して恩師の先生からご指導を頂いた。「お客は満足はしない。欲しいのは安心だ。」これには驚いた。今までどうやって治療で患者様を満足させるかということしか考えてこなかったが、このご指導はまったく視点が違う。
例えば腰痛治療を「満足」でいくと「残り2割の痛みですがもっとやりましょう。完全に治るまで手を緩めません。徹底的にやりますよ。」となるが、「安心」でいくと「少し痛みは残っていますが、この腰痛は他に悪いことをしません。悪化もしないと思います。これぐらいであればすこし様子を見てもいいのではないでしょうか。辛いときはいつでも治療しますのですぐに言って下さい。」となる。少し雰囲気が違う。
私も仕事をしながらこの「どうやって安心を与えるか。」という視点で考えると色々な発想が湧いてくる。

「この方の親は心配しているだろうから、この話を伝えたら安心するだろうなぁ。」
「前回治療したあとで○○の点が不安だろうからお知らせしておこう。」
「○○病の人はこんな点を不安に思っているから、あの資料を送って少しでも安心させてあげよう。」

考え方の切り口が違うだけでまったく違う行動になってくる。
本来医療は十分な「満足」を与えるものではなく、どうやったら安心して生きられるかを支えていくものだと思います。
「ひとつでも多くの安心に囲まれて暮らしたい。」というのは本来、人間の根本欲求のように思います。

1つでも多くの安心が皆様の生活に溢れますようご祈念いたします。
今年も宜しくお願いいたします。