腰君の気持ち

以前に「身体は借り物と思えばいい」という話をしましたが、身体の何処かが痛む場合、痛みには理由があります。
例えば腰が痛い場合、足が硬いとか背中に負担がかかりすぎたとか、右と左脚が極端に違うとか、明確に理由があって身体は腰に痛みを出す。
だから体の要求をちゃんと聞いてあげないと、やがて体は反乱を起こす。
特にこの傾向が強いのは体力に自信のある方。
我慢強い方。
すぐに根を上げない方。
挑戦や達成を生き甲斐にしている方。
こういう性格の方達は身体にしたらいい迷惑です。
ですから最近私は、我慢弱いを薦めています。
ちょっと体調不良で人から大丈夫と聞かれたら、「大丈夫。全然平気。」と言いませんか?
私は、「だめだめ、全然ダメ。」と答えます。
日本人の意識の中に人に迷惑をかけると申し訳ないという気持ちがあり、心配させないために大丈夫と言うのでしょう。
恥の文化ですね。
しかしこれは身体から見ると困ったことになります。
辛くてもただ我慢していては治療が遅れます。
病院で何でこんなになるまで、放っておいたのだと怒られたことはありませんか?
この我慢弱いというのは新しい日本人の生き方と考えています。
ただしこれは身体の話です。
仕事が辛くて我慢しなくていいという話ではありません。
身体の内なる声を聴いて、ちゃんと満たしてあげてくださいという話です。
時には腰君の気持ちになって、「負担をかけてごめんね。」と言えば腰君も、「もう少し頑張るよ。大丈夫。」と言ってくれます。
以前に乳がんをやった方が、再発予防で何をしているのですかと聞いたら、身体の細胞君に今度は暴れないでねと、いつもお願いしていると言っていました。
漫画みたいな話ですが、細胞には意志があり、記憶もあり、こちらの精神状態でいかようにも変化することが最近わかってきています。