愚痴を言ったもの勝ち
治療をしていると明らかに女性と男性で反応が違う。
女性はなぜこういう状態になったかをくまなくしゃべる。
男性は今辛い症状だけ言う。
我々の治療は時間が長いのでどうしても、家族のこと、生い立ち、昔の恋愛話までよく話に出てくる。
長年通っている方は手に取るように家庭内のことがわかってしまう。
どうも女性は全てを話さないと理解してもらえないと思うのか、その時にどう感じたかや愚痴も出る。
しかしこの愚痴の中に我々にとって重要な情報が隠れていることがある。
本人はそういうつもりで言っていないのだろうが、治療のヒントや方針転換に関する情報がある。
そういう経験があると愚痴を聞くのも大切な仕事と感じてしまう。
男性から愚痴が出るのはかなりの年数経たないと出ない。
何とか治療に必要な情報を取ろうとするが、本人の中でそれは病気に関係ないと思ってしまうようだ。
結局愚痴を言いながら色々な情報を与えた方が、いい治療を受けられる。
愚痴を言ったもの勝ちである。