人は希望で生きられる
これは聞いた話だが、がんで余命宣告された患者さんが、その余命が切れた日に診察を受けたという。
「先生まだ大丈夫です。生きています。」
何ともシニカルな話だが、気持ちは分かる。
よく寿命と言うが人は生きていくのに必要のないものは見えないようになっている。
例えば60才の方が83才で亡くなるとすると、毎日あと22年と12ヶ月4日2時間35分と寿命を必ず逆算する。
この段々減っていく感じ、人は耐えられない。
何時終わるか分からないから生きられるのである。
今日かも知れない、明日かも、10年後かもと思うから生きられるのである。
がんの寿命宣告も家族にはある程度必要な情報かも知れないが、聞きたくない方も多いのではないだろうか。
難病治療ももしかしたら良くなるかもと思うから、続けられるのである。
結果が分かっていたら、人は続けられない。
「もしかしたら・・・。」
「きっと良くなる。」
結局人は明日の事さえわからないから、希望で生きていけるのである。