古傷を治療して過去を思い出す

8年程パソコンを使いすぎ、具合が悪くなった方が来た。調べると腕のこりがひどく、典型的なパソコン病である。今まで肩や首は治療して頂いていたが、腕は治療してもらったことがないというので、少し驚いていたが治療しながらぐんぐんほぐれていくのが分かる。そして今日2回目の治療で前回の治療の後、昔の自分の症状を思い出したという。この方は喘息持ちで体質的にも弱く、いつも下痢をしていたという。初めの治療のと、軽い喘息や下痢が久しぶりに出て訳が判らなくなったが、それが3日と続かなかったのでそのままにしておいたという。我々から見るとこの古傷を全部出さなければ、治癒しない。昔の病歴が走馬灯のように出てくれば来るほどいい治療である。治療は身体の中に眠っている古傷を出すことにある。膿吐き出しではないが、一旦症状が出ても吐き出してしまえば治癒が早い。症状が出ながら、「昔のあなたはこんな症状があったんですよ。」と言われているようなものである。そんな話をしながら腕を診たら、前回のこりが嘘のように治っていた。さほど治療しなかった肩甲骨も楽だという。中々こんなにうまくはいかないが、治療する時はいつも古傷を外に出そうと心掛けている。