心が強いにも程がある
こういう仕事をしていると、人の生い立ちや育ち、性格までわかってしまうことがある。ある金融の仕事をしている方の身体を触るたびに、「乱世、乱世」と感じてしまう。平穏なときには身体が全く反応せず、株価などの金融不安になると俄然元気が出てくる。最近株価が下がっているので大変なのだろうが、全く心が折れない。身体は激務で悲鳴を上げているのに、心臓の反応が出ない。いつもは腰痛なのだが、そんな時珍しく手がしびれると言ってきた。身体を診たらストレスたっぷりだった。身体はいつものように腰の痛みを出したぐらいでは仕事を止めてくれないから、目新しい手のしびれなどを出して、不安にしてわかってもらおうとしているのだ。本人はそんな事知らないから、痛み止めを飲んだがしびれが取れなかったという。こういう方を診るたび毎に、身体に負けた方が楽に生きられると思ってしまう。日本人は我慢が美徳といった感覚を持っているので仕方ないだろうが、心が強いにも程があると思った。