ウィルスの戦略論

免疫に問題があり、ウィルス治療をしている方に「ウィルスの戦略論」の話をした。ウィルスは結構したたかなところがあり、こちらが少し油断しただけで攻めてくる。「よりによってこんな時に・・・」よくこういう感想を患者さんが言う。ウィルスは宿主の患者さんを24時間注意深く監視していて、他の少しの隙間を狙って神経に反応して痛みを出したり、皮膚に赤みを出す。そして巧妙なのが、患者さんが仕事などをしていて交感神経優位なときは黙っている。少し仕事が終わってホットしたときに現れる。仕事の最中に出れば少し仕事を控えなければとなるが、終わって少ししてから出るので、さして気にも留めずそのままにしてしまう。ウィルスの戦略勝ちである。治療も常にウィルスが嫌がる事を続けないと中々封じ込めない。同じ治療では相手に見抜かれてしまい、暴れさせてしまう。治療の方法を少し変えたり、新しい刺激を加えるなどして、飽きない治療刺激を与え続けなければならない。ワンパターンでは戦えないのである。ここにウィルス治療の難しさがある。よく抗生剤の飲み過ぎで耐性菌などという話しが出るが、全く同じである。相手は物を言わず虎視眈々と狙っているのだから、こちらも戦略的に戦う準備をしていないと負けてしまう。中々手強い相手である。