人の身体は癖のもの
足の熱感が取れないという方が通っている。色々と手を尽くすのだが、いい結果が中々出ない。こんな時は単純に冷やすと良い。足の熱感から逆算して湿布程度では無理なので、バケツに氷を入れて冷やす。納得するまでバケツに足を入れたり出したりする。患者さんから、「そんなので治療になるの?」と聞かれたが、これが立派な治療なのである。但し、バケツに入れている時間も日を追う毎に短くなればの話である。初めは5分間入れていたが、最近は3分で十分、1回冷やすと前は2時間後にまた冷やしたが、今は4時間持つといった具合いに変化しなければダメである。身体にしてみると足の血液を集めたり、自律神経の調整がうまくいかず、何か文句を言いたいわけである。本人のご主人様が何か手を打ってくれれば、「わかってくれればもういいや。」ということで熱を出さなくなる。治療法が正しくないと継続的に熱を出し、やり方を変えてくれと言ってくる。熱感を持った足の気持ちになれば簡単な話である。人の身体は癖のもので、良い環境を整えていくと染まり、変化する。そうなれば立派な治療である。我々はよく、「ベクトルの向きを変える。」と言ういい方をするが、今まで右を向いていて左に向かなかったものを方向性を変えれば治療になる。環境による変化、遺伝子が1番得意とするところである。今までと違うことをやるだけで、身体の運命は変わるのである。勉強していて、立派な○○療法という内容をみて時々愕然とすることがある。あまりに当たり前の事をやっているだけで、全く新鮮みがない。しかし○○学会では画期的とか言って称賛していることがある。まずは身体君の気持ちに従うところからやってみると良い。こんな治療法でいいのというのが正解な場合がある。