二日酔いに迎え酒

西洋では迎え酒のことを「犬の毛(The hair of the dog)」と呼ぶそうだ。元々は「噛みついた犬の毛(The hair of the dog that bite one)」である。これはかつて、狂犬病の犬に噛みつかれてできた傷は、その噛んだ犬の尻尾の毛を焼いて傷口に当てると治るという俗説から生まれた表現で、毒を制する毒というわけだ。(http://karapaia.livedoor.biz/archives/52171521.htmlより引用)

高校生の頃化学の授業で「二日酔いに迎え酒と言うが、これは二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを新たにお酒を飲むことによって緩和するからである。」というような説明を聞いた記憶がある。医学的に真偽の程は知らないが、個人的には水分補給とか梅がいいと思う。治療の世界でも二日酔いに迎え酒みたいな発想は有効である。何かスポーツをして筋肉痛が酷いときは基本は安静だが、上手に身体を動かすと回復が加速度的になることがある。例えばフルマラソンの後の筋肉疲労を回復するのに2週間程度はかかる。だからプロは2週間以内に試合に出ない。しかしレースのあと1週間ぐらいで、筋肉痛の部分をしっかり冷やしテーピングもして良い状態でまた走ると、何かスイッチが入ったみたいにぐんぐん筋肉疲労が取れることがある。必ずそうなるかはわからないので全員にお勧めはしないが、そういう体験を何度かしている。薬もそうである。胃を治そうと絶食しているときに微量の毒を使うと早く治る。やはりこれも何かのスイッチを入れるのであろう。そのスイッチがわかると治療は楽なのだが、中々解明できない。ただ言えることは微量というかほんの少しがポイントである。漢方薬の成分を見ても何でこういうものを微量入れるかはいまだに判らないものが多い。しかし経験でその一摘まみが身体を変えることは昔の方はわかっていたに違いない。身体を変えるきっかけはほんの人さじである。