外人さんの治療

リーマンショックの前は外人さんを多い時で月に50人ほど治療していた。毎日2-3人なので、ジャパニーズイングリッシュだが少ししゃべれるようになった。外人さんは肩がこらないイメージがあるがそんな事はない。日本で生活していると我々のジャパニーズ指圧にはまる。そして仲間を紹介してくれる。当時は金融関係の方が多く、ゴールドマンやソロモン、メリル、クレディスイスと色々な人脈が出来た。金融関係の世界はしても狭く、「ゴールドマンの○○を知っているか?」と聞くと、「知っている。」では「メリルの○○はどうだ?」と聞くと、「それも知っている。」と言う。本当に金融関係は狭い世界である。そんな時、私の名前がある雑誌に載っていたという。雑誌を見た方に聞いてみたら、「Mr. Tanaka, Massage, safe」と書いてあったという。safeは何だと聞いたら、当時は出張をしていたので、ゲイではないので男性も女性もく安心してかかれるということを意味しているらしい。これには笑ってしまった。日本とは少し感覚が違う。リーマンショック以降は殆どの外人さんが帰ったので数は減ったが、最近は大使館関係の方はよく通っている。我々も外国にいたら、腰が痛いと思っても治療院に入りずらい。誰かが紹介してくれれば安心できる。そうなるとどうしても皆同じ所に行ってしまう。気持ちは分かる。そんな外人さんだが、母国に帰る時に自分の国にはこういう治療がないから不安だと言って帰るが、数ヶ月すると「日本にいた時は肩がこったが、今は大丈夫だ。」とメールが来る。日本は肩がこる国なのであろう。以前、ドイツの有名な教授が大学病院で回診をした時、あまりに患者が「肩こり」と連発するので通訳の方が訳せなかったという。ドイツの教授は「肩が痛いのか?」と聞くが、「痛いのではない。こるのである。」結局通訳も苦し紛れで「uncomfortable-心地よくない」と訳したがうまく伝わらなかったという。この肩こり、日本にいると感じるらしいが何ともとらえどころがない不思議な存在である。そんな事を外.人さんを治療するたびに感じている。