風邪を出し切るという考え方

この時期時々風邪の方が来る。医者にちゃんと行って薬をもらうが何となくくすぶっている方は多い。これは私の職業的な考え方かも知れないが、風邪を引くと身体がどう変化するか観察する。もちろん咳がひどくどうにもならない時は抗生剤を飲むが、多少の発熱や咳、喉の痛み程度なら病気に暴れさせる。そうすると風邪は4日間ほどで治まることがわかり、病気に暴れさせた後の爽快感は何とも言えないくらい気分が良い。薬で症状を抑えたときとは明らかに違う。仕事柄症状を抑えるために薬を飲まなくてはならない方はいるだろうが、余裕があるなら病気に暴れさせると敵の正体が良くわかる。そして自分の体力の能力もわかる。発熱も39度近くなると身体の節々は痛いし、食欲はない。喉は痛いし、飲み込めないし、頭をアイスノンで冷やしてもまだ熱い。日に3度ぐらい着替えをしてもすぐにまた下着が汗ばむ。こんなに身体の中に熱を発生させる力があるのだと感心する。そして汗をかききった後の爽快感は格別である。本当に病原菌が死滅した感じがする。そして回復期に喉は楽になり、食べ物が通り、当たり前の生活を少しずつ取り戻す時に幸福感がある。当たり前の事が当たり前ではないと感じる。そしてそこから次に風邪を引かない戦略を立てる。これはある程度プロが指導しなくてはならないだろうが、毎年恒例の風邪を引かないと勝った気がする。そういう実験をいつもしていると、症状が出たら薬で封じ込めることに違和感を感じてしまう。鎮痛剤や抗生剤で胃がやられ、鎮咳薬で何となく咳が減り、去痰剤で痰だけは出る。しかしすっきり感がない。結局治るのは体力である。1度自分の力を信じて闘って、身体の中の本当の防衛力を試すことをお勧めしたい。