散歩を熱心にやると徘徊?
中高年の健康への関心は高い。
テレビでも、たけしの○○とかためしてガッテンなど健康番組は多い。
仕事柄そういう番組を観ておかないと放映の翌日以降、「先生、先日たけしの番組を見たんだけど糖尿病に○○がいいと言っていた。あれはどういうこと?」と聞かれる。
多い時は日に4時間ぐらい放映しているから、こちらもビデオ録画を早送りして見るだけでも大変である。
最近はどうしても認知症に対しての話が多く、盛んに身体を使い歩くように勧めている。
それはそれで良いことなのだが、そういう方達を診ていて少し疑問を感じることがある。
「本当に歩いているだけでいいの?」
私のこの疑問は結構深刻で、何を調べても歩けば解決するようなことばかり書いてある。
そんな時、たまたま何度も拝聴している免疫学者の安保徹先生の講演会の原稿を見ていたら次のように書いてあった。
「あまり半身ばかりを熱心に鍛えると頭から血が引く傾向があるので、大体散歩ばかり熱心にやると徘徊老人になって、すごく60代70代に熱心に散歩していた人たちがやられていますよ。」
その後先生は手を使い上半身を鍛える必要性を説いている。
「上半身を動かした時は動脈で血流が維持されるので、ついでに頭にも血流が行くんですよね。」
これには納得してしまった。
患者さんでやたら散歩する方は多いが、同時に上半身を使っている方は意外と少ない。
やはり身体はバランスで、全身隈無く使っての健康維持である。