学生を治療して思うこと
スポーツをやっている学生を時々診ることがある。
多少の怪我ならすぐ治るが、場合によっては競技を継続できない場合もある。
今までの人生でそれしかやってこなかった子が殆どだから、病状を伝えるのにこちら
が辛くなってしまう。
しかし人間を60年近くやっていると人生は山あり谷ありで、結構捨てたものではない
ことを知っているが、若い時はそのスポーツが全てだから落ち込む気持ちは分かる。
色々な方を見ていて挫折しない方などいないので、出来れば若いうちに挫折を沢山味
わい、どんな状況でも負けない人間を作ることが大事だと思ってしまうが、最近は少
しそういう風潮が薄くなっているように感じている。
後から振り返れば若い頃の挫折は一時で長く続いても数年である。
人生80年で数十分の一の期間である。
社会に出て会社があわないとか、結婚してもすぐに離婚したりという話をよく聞く
が、合う会社などあるわけがない。
自分をその会社に合わせる以外に方法などない。
スポーツで挫折をしても治療家やトレーナー、監督、解説者になったりするケースは
いくらでもある。
受験や恋愛などの挫折でも別の方法で成功した方はいくらでもいる。
怪我で落ち込んでいる学生を診ると、
「今までこれしかやってこなかったから気持ちは分かるが、これを乗り越えると大き
なご褒美が待っているよ。今は心に描けないだろうが、人の道はいろいろあって乗り
越えたときにこういうご褒美だったのかと気がつく。その時に頑張って良かったと感
じるときが必ず来る。人の一生ってそんなものだよ。大丈夫だから沢山辛抱して大き
なご褒美をもらうといい。」
若い方には特に挫折を乗り越えて欲しいと感じている。