棘とメンテ
常連さんの友達が若い頃から膝を痛め、その後腰椎椎間板ヘルニアで手術をする事になったという。常連さんも腰痛がきっかけで通っていたが、最近は問診しても「う~~~~~ん、少し肩こりかも・・・。」と言う程度でそんなに悪くはない。その方に棘への話をした。「昔は膝を痛めてもメンテなんてしなかった。全て根性論で気合いで治したという話ばかりだ。しかし身体は受けたものを正確に記憶している。勝手に消えることはない。古傷として残る。症状が出るか出ないかはその方の免疫力だが、悪条件が揃うと必ず出る。まるで棘が刺さったようなものである。我々から診るとその棘を抜きさえすれば良くなるのに、本人には見えないから、どうしてこんなに調子が悪いのだろうと感じてしまう。メンテをすると言うことは棘を抜き続けることである。」と説明したら、大変納得されていた。常連さんのメンテの最大のメリットは、小さなうちに棘を抜いてしまうことである。だから風邪を引かないとか、腰もある一定以上悪化しないとか、胃腸機能が落ちないとかは全て棘を抜いた証拠である。おそらくこの棘が見えるようになると世間の多くの方は必ずこう言うと思う。
「こんなに自分の身体は棘だらけなの。これでは治らないはずだ。」