文句を言いながら通う患者とダラダラ通う患者
以前ご近所のおばあちゃんが膝痛でよく通っていた。治療が終わったあと必ず、「全然膝が良くならない・・・・・。」といつも言う。こちらはもう来ないのかなぁと思っていると、会計の時に、「来週、空いてる?」と聞く。毎回こんな感じなのでこちらも慣れてしまった。ある時帰りがけに杖を忘れて帰ったので、そんなに問題はないのではないかと思ってしまった。かと思うとダラダラ通う患者がいる。毎回どうですかと聞くと、「変化しない。痛みは変わらない。」と言う。この方も来なくなるのかなぁと思うと定期的に確実に通っている。そして毎回、「痛みは変わらない。」と言う。筋肉の状態をこちらは診ているので内心は痛みは半分だろうと思っているが、そんな事を言っても「痛みは変わらない。」と言われるだけなのでこちらも聞かない。こう言う方は兎に角真面目に通う。色々な患者を診ていて、痛い時だけちゃんと通う患者より、何となく通っている患者の方が治療成績がいいように思う。おそらく腰でも痛くなくなれば、「もう私は治った」と思っている。しかし現実は少しずつまた悪化する訳である。ダラダラ通うとそれを見落とさない。だから長い目で見ると確実に良くなっている。文句を言いながらでもダラダラでもいいので、通っていれば身体は良くなる。