何をやっても治らない膝痛の考え方

ネットで当院を見つけて膝痛の方が来た。今まで10件近くで調べてもらって原因が不明だという。レントゲンやMRIなど全く問題がない。行く度毎に「太腿を鍛えなさい。」「歩きなさい。」と言われ、忠実に実行しているが、良くならないと言う。矢継ぎ早に色々と質問をしたら、痛みに全く特徴がない。歩いて痛いときもあるし、痛くないときもある。坐っていて楽なときと痛いときがある。暖めて痛いときと冷やして痛いときがある。全く以て何をすれば痛くなるのかが掴めない。ただし、鍼と注射をすると半日ぐらい楽になるが必ず戻るという。それは血行不良だから風呂の後は楽でしようというと、痛いという。膝痛は普通、「大腿四頭筋」「熱の問題」「胃腸の問題」でけりがつく。しかしこの方はこの範疇にない。今までもこういう方を何人か診たが、解決法は意外なところだった。1つは顎位の問題、噛み合わせである。もう一つは鼻炎、後は鬱病である。膝の痛みの支配権を顎関節が持っていると、膝を使ったとか、暖めたとかは膝痛に全く関係ない。顎関節の調子の良いときは膝は楽になる。こう考えると膝痛が説明できる。マウスピースを作ってどこまで良くなるかはやってみないとわからないが、これでダメなら、EAT(Bスポット療法)である。それでもだめなら頭に鍼を打つ。それでもだめなら御祓いを考えようかと思ってしまう。こういう仕事をしているとなかなか顎位と膝痛の関係は思いつかないが、何とか膝痛を治めようとすると、可能性のあるものはすべて試して戴きたい。身体の中のネットワークはまだまだ未知で、こんな所をいじってどうして○○の痛みが取れるのというところが沢山ある。なかなか治らない方も諦めずに、ネットワーク探しをお薦めしたい。