10万人に1人という確率
病院で手術をすることになった方が医者から同意書をサインをしてくれと言うことで内容を見たら、「10万人に1人亡くなる確率があり、訴えないこと」と書いてあったという。手術前にその話を聞いてすっかり元気をなくしてしまったという。患者心理はわからないわけではないが、しかしこの10万人に1人亡くなる確率は実際どんな感じかというと、医者が日に3人手術をしたとする、概算で年間1000人、10年間で1万人、100年間で10万人である。医者も100年は出来ないから、殆どないと言うことである。しかし1万人に1人ということは10年間に1人だから、医者を40年やっていれば4人亡くなっている。1000人に1人なら毎年亡くなっているという計算である。週に1度程度しか手術しない先生なら、年間約50人、1000人やるのに20年かかる。この確率をどう見るかは微妙なところだが、我々の感覚では1000人に1人と言われると少し引くが、1万、10万では起こらないという感覚を持っている。昔の医者なら、「大丈夫、まかせなさい。」と言ってくれたが、最近は事故が起こった後、「だって大丈夫って言ったじゃない。」と裁判になってしまうから難しい。患者の心理と具体的数字はいつも相反している。