疲れている時に仕事をして身体が元気になる話

20代の修業時代に先輩から、「君達は指圧を力でしているからわからないだろうが、この仕事は力を一切使わない。若い頃は3人5人と治療する毎に疲れてくるが、やがては何人やっても同じになる。そして最終的には多少体調の悪い時に仕事をすると、適度な運動で体調が良くなる。そういう身体の使い方を身につけなさい。」と指導を頂いた。
今になればわかるが、当時は体力の切り売りだったから、ピンとこなかった。
おそらく他の職業でも歌えば歌うほどとか、絵を書けば書くほどとか、しゃべればしゃべるほど身体が楽になる身体の使い方というのがあるのではないだろうか。
その域に行けば一流だが中々すぐには身につかない。
私自身が感じるのは身体の使い方もそうだが、仕事をしていく中で謎解きの楽しさである。
「先生、○○が辛いんです。」
「それはね、△△をすれば良くなる。」
「先生、○○が動かないんです。」
「それは鼻炎を治さないと改善しない。」
このように仕事をしていく中で、どんどん謎解きが楽しくなってくるのではないだろうか。
お陰様で40年もやっていると、この症状に対してどういう風に治療したらいいか全くわからないということはない。
謎解きと適度な運動で身体が熱くなり、段々楽になる。
少しぐらいの風邪なら飛んでいきそうである。
ここまでくれば道楽である。