勝ち癖、負け癖

役者さんを治療しながら、「あなたは昔から治療しているから、ちょっと悪い所があれば毎回何とかなっている。これは幸運なことで、例えば今回の足の痛みが治らなかったとする。病院を何件か回っても良くならない。そうすると殆どの方は諦めてしまう。そして別の症状が起こっても治らなかったとする。そんな事が数回続けば、患者は『おれは昔から症状が出ると治らなかった。あの時も、この時も・・・・。その連続で落ち込みこういう精神状態になってしまった。今から考えるとあの負け癖が精神をおかしくした。あれさえなかったら・・・。』と言う。全員がそう言うわけではないが、精神疾患の方からはよく聞かれる言葉だ。だから毎回身体がおかしくなっても何とかなっているのは、とても幸運なことだ。」「は、そういうものですか。」「こちらも神様ではないのですべての症状には対応出来ないが、患者さんを見ていると明確に勝ち癖の方と負け癖の方はいる。何が運命を分けているのかはわからないが事実である。」そんな話をした。