内科と膝痛
常連さんが、「この間夜中に膝か動かなくなったがすぐに治った。取り敢えず湿布を貼ったが今日は大丈夫。」と言う。この方は以前から少し高血圧で降圧剤を2剤飲んでいる。血圧を測ったら上が110mmHgでよく効いているか、少し下げすぎか微妙な数字だった。本人は膝の症状は整形的なこととを思っているが、我々からすると動かなかったり、きかないというのは脳の虚血を考える。一過性虚血発作といって、手足が少し麻痺したり動かなくなったりするがすぐに治る病気がある。脳に血が行かないか血管が硬いか、虚血は間違いない。だから膝が動かないなどの症状の時は内科で血圧の薬を出している先生に伝えなければならない。患者からすると、「どうして膝の症状を整形ではなく、内科の先生に言うの?」という疑問が出るだろうが、膝痛なら良いのだが、動かないというのは脳からの命令が行かないわけである。見分けるのは大変だが、何でも先生に言えば、膝痛なら、「ふ-ん。」で終わりだが、動かないと言われれば念のため頭のCTでも撮っておくかとなる。うちのように治療時間が長く色々な話を聞いているなかで、こういう問題はどう対応すれば良いかは伝えるが、おそらく世の中には脳梗塞で倒れた後に医者から、「最近おかしな事なかったの?」と聞かれ、「少し前に足が動かなかったことがありました。」と言えば、「どうしてそんな大事なことを言わなかったの?」というやりとりになるだろう。患者にすればどれが大事でどれが大事でないのかはわからない。患者としゃべりながらこういう事はよく起こっているのだろうと感じた。