お腹の具合と腕・腰痛

腕から肩にかけていつもつらがっている常連さんが、いつもより珍しく早めに来た。「仕事は忙しいのだが、なんか調子が悪い。いつもだったらもう少し頑張れるのに・・・。」と言う。腕を診たら、確かにパンパンで忙しい様子がわかった。しかしカルテを見たら、先月は腹痛と書いてある。「先月はお腹が痛かったですよね。どうしましたか?」「治りました。」と言われてもこちらは何かあるのではと疑ってお腹を触ったら、かなり痛がる。「自覚症状がなくてもこれだけお腹を痛がると背中は硬くなり、腕は少し使っただけでおかしくなります。まだお腹は完治していないのでしょう。」「普段の生活でお腹は何も感じません。」患者さんの自覚症状だけ聞いていると見過ごすところだった。他の常連さんも珍しく3日間便秘になり腰を痛がっていたが、ようやくお通じがあったので、腰痛から解放されると思ったら、まだ腰が痛いという。お腹を診たら、深いところにしっかりしこりがある。これでは腰は良くならない。しかし本人は、「便秘が良くなったから腰には影響ないですよね。」と言う。「これは棘が刺さったと思って下さい。棘を抜けば楽になりますが、少し痛みは残るでしょう。それと同じで大きな問題が解決しても残骸があるものです。気持ちの面では解放されたと思っているでしょうが、身体には痛みが残っています。少し治癒に時間がかかります。」こういう説明をしたら納得されていた。