声のでかい奴が仕切る

これは以前、老夫婦の患者さんが、「ゴールドコーストに別荘があるから、遊びに来なさい。飛行機代だけで良いのだから・・・。」とお誘い頂き、お邪魔したときに、地元のホテルのコックさんが来ていた。色々と話をしていたらコックさんが、「今いるホテルは9つの国の人間がいる。言語はバラバラ、そんな環境で仕事をまとめなければならない。どういう人がまとめると思いますか?」という話になり、「それは英語が出来る人でしょう。」と言ったら、「英語が通じない人もいるんです。最後は身振り手振りですが、間違いなく言えるのは『声のでかい奴が仕切る』ということです。理屈ではない、現実です。」という話を聞いて、成る程と思った。多言語多人種では言葉でなく迫力がものをいう。これは体験した方でなければわからない。これが心に刺さり、若い方には良くこの話をする。社会に出て理屈が通らないことは多い中、この事はとても大事である。仕事柄、声の元気な方の治癒率は確実に良い。声を聴いているだけでも「もう、治ったでしょう。」と言える。こんな事も大事な社会学である。