怪我の功名

日舞をやっている常連さんが治療している左膝に火傷をしてしまったと言う。本人はなんとも運が悪いと思っているだろうが、我々から見ると逆である。火傷は紫雲膏などで治せば良いが、身体はその火傷を治すためにそこに血液やリンパをどれだけ集めるかわからない。選択的にそこだけ血流が良くなる。我々が膝の治療をするレベルではない。それもかなりの期間続く。膝にとってこんな良い状況はない。膝が完治するかは別にしても、相当高いレベルで良くなることは間違いない。そこがわかっているので我々は、「良かったじゃないですか、病んでいる側で。」と言ってしまう。まさに怪我の功名である。こういう事は実はよくある。肩が痛くて風邪を引いたら風邪の治癒と同時に肩が楽になったとか、腰痛持ちの方が下痢が収まったら腰が楽になったとかなどはよく経験する。怪我や病気をしても良いこともあるものである。