病気になったときの心構え-免疫学者は何をする?
代替医療のホリスティック医学で有名な帯津良一先生は免疫学者の安保徹先生と風邪について話をされていた時、帯津先生はすぐに葛根湯を服用して、症状がはっきりする前に対処して危ないという予感が大事だと言われたのに対して、安保先生は「私は、風邪をひいたら、『ここのところ、忙しすぎたから、少し身体を休めなさい』という天の配剤だと思って、2~3日ゆっくり寝ることにしています」と答えたという。
「天の配剤」は少しむずしい言葉ですが、「善には善果、悪には天罰というように、天は物事を適切に配するということ。」「あらゆる物事が適切に配されていること。」という意味です。
風邪ぐらいならいいですが、ではがんの場合はどうでしようか?
天の配剤かもしれないけど、何とかしてくれというのが本音だと思います。
心と自然治癒の関係を研究して世界的に知られるラリー・ドッシー博士は万物との一体感をもつ「祈りに満ちた心」こそが大事だと言っています。
「それ(祈りに満ちた心)は、受け身にならずにしかも受容し、事態を投げ出さずにそれに対して感謝の気持ちを持つこと、すすんで謎のなかに立ち、曖昧さや未知のものに対して寛容な心を持つことだ。何が起ころうとも、たとえがんが発病しようとも、それは起こるべくして起こったのだと受け入れることだ」
つまり、どんなに重篤な病気であっても、天の配剤として受け入れる。
それができるのが祈りに満ちた心だというのです。
中々これはできることではありません。
しかし長年がんの患者さんを診ていると、
「もう少し余命があるみたいですから、こっちで出来ることは済ませて、あちらに行けばいったでまた用事があります。運を天に任せ、自然体でいることにしています。そうすると不思議と怖くないのです。もしかしたら今までで一番心が穏やかかもしれません。息をして感謝、ご飯が食べられて感謝、周りの人に感謝、今まで気がつけなかったことに気がつけます。本当に幸せです。」
とこの境地に達する方は結構います。
こういう方達の笑顔はどなたも素敵で忘れられません。