看護師から鍼灸師へ

NICU(新生児集中治療室)にいた看護師さんが久しぶりに来て、今度は鍼灸学校に行きたいという。あまりに突然のことでびっくりするやら嬉しいやら。話を聞くと私の影響も少しはあるとのこと。早速、鍼灸業界の問題点などを話し、今後免許を取った後どう展開していくかという話になった。昔に比べ鍼灸学校の開設が大幅に緩和され、今では生徒不足が深刻な問題になっているので、入学は問題ないとして、問題は開業で食べられるかどうかである。この方は看護師以外にも助産師の免許を持っているので、妊婦さんの専門治療はどうかという話になったときに、「それも良いかもしれないが、私から見ると生まれてきて子供の専門治療がいいと思う。例えばEPAやDHA(頭の働きを良くする物)の適量を教えてあげたり、歯科と連携して早めに顔の骨格を綺麗にする頭蓋骨のマッサージ、モデル体型を作るための膝の骨端線の治療、腸内細菌の調整、などがいいのではないかと思う。」と言う話をしたら、「よくそんなにアイデアが出ますね。」と言う。長年やっていると当院でも新米ママの治療はやっているが、その後は生まれてきた子供にお金をかけたいのが親やおじいちゃん・おばあちゃんの本音である。だからどんな治療をやるかは本人が考えるとしても、そこにターゲットを絞るのがいいという話をした。こういうアイデアはいくらでも出る。日々患者さんの話を聞いていれば、どんなところに需要があるかはすぐわかる。歯科医師や鍼灸師が余り、国家試験を厳しくしている現在、自分の特技を活かし、差別化を図らないと中々開業は難しい。NICU(新生児集中治療室)に長年いた経験値がどれだけ武器はわからない。これから、こういう形のダブルライセンスが増えるのではないだろうか。