上昇志向
70台の常連さんが四股を今までは40回、正月は頑張って50回に増やしたら、普段痛くならないところが痛くなってしまったという。別の常連さんはスキーにはまっていて、何級とか指導員とか取りたくて身体を酷使している。我々から見ると年を取れば体力が衰えるのだから、現状維持が最高なのに40回のものは35回に減らせばいいのに、上昇志向で増やそうとする。今までスキーで3級だった方は2級1級と上を目指す。それ自体はいいことだとは思うが、身体が悲鳴をあげては何もならない。しかし患者さんの中には年を取りながらちゃんと記録を伸ばしている方がいる。何が違うかというと、例えばマラソンをやっている方なら稽古の前に治療、後にメンテと余念がない。少しでもおかしいところがあると納得するまで質問が来る。「今までこの程度走ったときはここに違和感は感じなかったけれど、今回は感じた。原因は何?どう予防すれば良いの?対策は?」と質問が厳しい。そういう方達を見ていると、これなら記録が伸びるはずだと思ってしまう。しかし殆どの方はただ気持ちだけ先行して、何時までも若くいたいと思うのだろうか、身体に対する負担だけ増やす。これでは身体はたまらない。このちょっとした心がけの差が、大きな違いを生んでいる。年を取っても記録を伸ばしたい方は気持ちだけではなく、戦略も必要である。