変形性股関節症と脊柱管狭窄症

常連さんがマラソンの途中で、腰が痛くて途中で走れなくなったという。身体を拝見したら、左腰にかなりの負担がかかっているので、1度MRIを撮ってもらってくださいと話した。脊柱管狭窄症は予想していたものの、変形性股関節症もあるという。それも少し炎症の程度が高い。これでは走れないわけだと納得したが、当院で股関節を訴えたことがない。おそらく症状が股関節ではなく、坐骨神経痛で出ていたので、隠れていたのであろう。この変形性股関節症と脊柱管狭窄症は相性が悪い。脊柱管狭窄症だけなら手術をして終わりとなるが、股関節がらみとなると腰の手術をしても再発がある。股関節に負担がかかるとそれがそのまま腰に負担がかかるからである。以前にも全く同じ症状の方が来ていて、年に150回ぐらいゴルフをやるのだが、中々腰が良くならずついに手術に踏み切った。知人や伝手をたどって和歌山県に「角谷整形外科病院 https://www.sumiya.or.jp/seikei/」というのがあって手術成績が良く、友達が殆どそこでお世話になっているという。手術後、今まで通りというわけにはいかないがゴルフを楽しんでいる。中々、股関節と腰に症状がある場合、どちらかだけやってもだめなので治療が難しい。まずは患部に負担をかけないようにしながら、「腹圧を下げる」「内転筋を鍛える」「股関節の軽い運動」「場合によっては減量」「ストレッチ・スクワット・四股の調整」「運動量の調整」など身体の声を聞きながら行わなければならない。今まで運動していた方が急に動かなくなるとよく足や腰がだるいというが、それはむくみや血行不良なのでそちらにも気をつけなければならない。こういう治療は中々白黒がつかず、のらりくらり様子を見るのが良い。あまり物事に白黒つけたがる方は苦手である。「身体さん今まで無理をしてご免なさい。」といいながら、すこしでも痛みが出たら中止、身体が喜ぶことのみで長期戦がいい。少し粘れば手術は免れるかもしれない。