こんな時だから出来ること

新型コロナウィルスの緊急事態宣言を受けて、世の中が一変してしまった。
当院でも一時的に閉院を決めたが、以前にも何度か危機はあった。
消費税が上がった時、出張を止めた時、治療費を値上げした時やリーマンショックの後など思い出す。
そういう経験を何度かしていると、「暇になって時間ができたらこれをしよう。」というリストをいくつか作っておいた。

カルテの電子化
超音波診断装置を使った勉強
扁桃と腸、免疫(アトピー・アレルギー)の勉強
鬱病の勉強
生活習慣の改善プログラムの勉強

勉強の内容毎に本はすでに買ってあるので、それが山積みになっている。
閉院してからまずカルテの電子化を始めた。
院内のカルテが4000人を超えているから膨大な量である。
常連さんになると一人で800枚を超える。
そんな方が数人いるから1ヶ月で終わるのかわからない。
それが終わったら、今まで時間がなくてできなかった勉強である。
それと今考えているのが、「うまくいかなかった治療の敵討ち」である。
特に目の敵にしているのは「耳鳴り」である。
Bi-Digital O-Ring Testをやっていると難しい耳鳴りの方が時々来る。
「先生のところが14件目です。」「耳鳴りの治療はすべてやったと思います。」
中々手強い患者である。
今までの経験を駆使してやってはみるが、成績が良いとはお世辞にも言えない。
いつも「いつか敵を取る」と思っている。

そして今までも時間がある時にいくつかの発見や方向転換があった。
以前もカルテ整理をしていて、40才前に男の人のカルテが多いことから、「男の38才説」に気がついた。
治療成績が上がらず悩んでいた時に、師匠から「物事を極めるには原書から」と教わり、解剖をゼロから学び独自の治療法を考えた。
眼に見えないものの存在に手をつけなければ治療結果が上がらないことに気がつき、Bi-Digital O-Ring Testを学んだ。
良くならない方達に鼻炎持ちが多いことから、EAT(Bスポット療法)を学んだ。

暇というのは心がけ次第で、とてもいい転換期になる。
これだけ時間があることはそう滅多にないだろうから、忙しい時には全く手を受けられなかったものにようやく取り組める。
そして自分の人生の終活まで、断捨離と整理が出来れば最高の時であると思っている。