手指消毒について

緊急事態宣言が発令されても中々新型コロナウィルスは勢いは止まらない。学校閉鎖や仕事をテレワークに変えて、人の外出を制限して「stay home」と言っても、収束のメドは立っていない。最終的にはワクチンや抗ウィルス剤の開発が必要だろうが、現段階でいつできるかわからないことも不安要因の大きな一つになっている。この流れを見ていて少し気になることがある。それは「手指消毒」の事である。仕事柄、毎日毎日、手指消毒はかかせないが、この騒ぎで余計に消毒の頻度が上がった。日に何十回消毒しているかわからない。この手指消毒が気になりだしたのにはいくつかの理由がある。まず消毒用エタノールの値段の高騰である。ある程度の在庫は持っていたが、何時入荷するかわからないので、予備を買おうとして値段を見てびっくり。普段は確か1ダース(12本)で10000円程度だと記憶している。1本700-800円程度である。それが3倍になって凄いなぁと思っていて、少し揃えようと思ったら5倍、本当に買わなければダメだと思って買った時には10倍。1本7000円である。そしてよくお見舞いに行くと病室の前にシュッとやる手指消毒液が(アルボナース)普段は2000円程度、これも値上っているだろうと思って慌てて買ったら10000円、5倍である。その後1-2週間して値段を見たら26000円。実に13倍である。この辺りから消毒の事ばかり考えている。そしてダイヤモンド・プリンセス号の感染対策を担当したのは自衛隊。あれだけ3密で隊員には一人の感染者も出していない。地下鉄サリン事件以来、化学兵器・生物兵器に対する部隊があるそうで、本当に完全武装である。その方達がどういう防護服を身につけ、どんな対策をしているのか気になって調べていたら、ある大学病院の感染症の専門家が、「PPE(防護服)について」を詳しい解説されていたのを見つけた。興味を持って見ていたら、「○○のあとは手指消毒」「それが終わったら手指消毒」「念のため手指消毒」「最後には手指消毒」「もう一つおまけに手指消毒」と指導していた。結局見えないウィルスに対して、「ここにウィルスがついているかもしれない。」と想像しながら対策を取っていた。そして改めて手指消毒の重要性に気がついた。それを教えて戴いてから気になることがある。それは買い物である。安部総理も小池都知事も「買い物は普通に出来ます。3密を避けて下さい。」とは言っているが、例えばスーパーでパック入りの物を買う場合、そこにそれが並ぶまでにどれだけの方が触るかわからない。生産者、問屋、輸送、陳列そして消費者。よく女性は手に物を持って、買うのを止めることがある。商品を戻すわけである。それを別の方が触る。買い物の前後でちゃんと手指消毒しているとは思えない。そのまま自宅に持ち帰り、料理をする。皿や茶碗につくのではないだろうか。新型コロナウィルスは結構数日生きているとの報告はある。これで家庭内感染の説明はつく。ここを中心にもっと対策を取れば、感染者は激減するのではないだろうか。ニューヨークでは日に700人以上が亡くなるという。アメリカではマスクをする習慣がないとか、BCG接種が義務化されていないなどあるが、病院関係者がしきりに言っていることは、「手で顔を触るな」である。手が感染拡大の大きな部分を占めているのではないだろか。一節には空気感染やエアロゾル感染のことも言われているが、「stay home」に加えて「何が何でも手指消毒、何時でも手指消毒」を徹底する事が解決策の一つに違いない。