理想の患者
常連さんの中に1人、理想的な患者がようやく現れた。以前から特に大きな問題があったわけではないが、まず外食を減らしてもらった。LINE@で送ってもらう食生活の殆どが外食かコンビニ食。新型コロナウィルスと絡んで自宅での食事に変えてもらった。玄米なども始めて、そうしたら以前より食欲がなくなり、少量で満足するようになったという。よく噛む事も指導し、お昼の弁当などは自分で作る事もあるという。そのあと体重が落ち始め、二十歳の頃と同じになったという。この二十歳の時の体重であるが、我々はこの時の体重をほぼその方の骨格にふさわしいと判断している。もちろん例外はあるが、「二十歳の時より何kg太りましたか?」で坐骨神経痛や生活習慣病を判断している。そのあと頭が働き出し、心も安定して、今までにない体調の良さだという。しかしここまでくるとちょっとした症状が気になる。以前、例え話で、「真っ黒い服を着ていて時は汚れが気にならないが、体調が良くなり服が純白になるとほんの少しの汚れが気になり出す。」と書いた。今までなら言わなかったような事を言い出す。それはそれで悪い事ではないのだが、どうしてそういうことが起こるかをちゃんと説明しないと、患者は不安になってしまう。以前から患者さんには「うちに来る方は殆どマイナスをゼロにして欲しいと来ます。しかし東洋医学の真骨頂はゼロがゴールではなく、貯金を競うものです。3より5,5より10の身体の貯金、それに伴う心の余裕、そして湧き出る幸福感。そこが一番大事なのですが、ゼロになると殆どの方が来なくなります。長年やっているので、この話は多くの方にして、ようやく数人メンテで通う方が出てきましたが、まだまだです。そういう方はうちに来てまず、『辛い所はないのでメンテをお願いします。』と言います。この感覚が理想なのです。」と言っている。そういう方の割合が今は10%もいないが、やがてこの割合が増えてくれば患者が、「がんの予防なんて当たり前、糖尿病に肥満?どうしてそんな病気になるの?今週末また治療に行くんだけど、また貯金を殖やそうと思っている。歯も鼻も腸も何も問題はない。少し具合の悪い方に指導しなくちゃ。」と言って、自分の周りの方にしゃべり始める。そうなると医療は予防がメインになり変わる。時間はかかるだろうが、実現したらどんなに素晴らしいか何時も夢に描いている。