神経の興奮について
最近通われている患者さんで肩の痛みが1年半も続いている方がいる。
あまりに治らないので医者が肩の関節鏡を2回やったが、原因がわからずその後も痛みは続いていると言う。
注射をしても良くならないので、PT(理学療法士)にまわされたそうだが、痛みが強くリハも出来ないと言う。
まず始めにこういう場合はどう考え、どこから手をつけたらいいのであろうか。
それは「神経の興奮」と考え、「末端から治療」するのである。
例えば自宅に泥棒が1回でも入った事がある方なら、ほんの少しの物音でもピクッとして身体が過敏に反応するだろう。
身体もそれと同じで辛い体験をすると神経の興奮のレベルが上がる。
ほんの少しの辛さが耐えられない。
まずはこの神経の興奮から落とさなければならない。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、身体が過敏に反応し続けているというのは「交感神経優位」である。
こうなると心臓の拍動は上がるし、末端に十分に血液を送れない。
肘から下の腕、膝から下の脛や頭皮などがガチガチになってしまう。
これが続けば身体が怒って、神経を過敏にして、「もうこんな生活はいや。いい加減に治して、肩の痛みを出し続けるからわかってよ。」となる。
だから痛みが出ている肩は動かせないのに、無理矢理やろうとするともっと怒る。
まずは神経の興奮を静めてからなら、普通にリハが出来る。
それでも痛みが取れなければ、灸が効く。
鍼の方が効くと思っている方は多いが、坐骨神経痛など慢性痛には灸がよく効く。
「神経の興奮を静める」「末端の治療をする」「灸」これが解決方法である。