松葉杖、三角巾、サポーターは見せた方がいい

今日来た方は膝痛で初診時に膝のサポーターを指導した。あれから普段は着けているのかと聞いたら、「なんか格好が悪い。」と言う。我々から見ると、松葉杖、三角巾、サポーターなどは人に見せた方がいい。駅や階段などでも「あ、あの人、足がわるい。」「鞭打ちをやった人。」「膝に包帯しているから足が悪い。」と思われた方が安全である。以前、通っていた妊婦さんが「初めの子供の時は全然お腹が出ていなくて、電車で席を全く譲ってもらえなかったが、2番目の時は自分でもビックリするぐらいお腹が突き出た。そうしたらビックリするくらい席を譲って戴けた。おばあちゃんからも『大変ね、坐りなさい。』と言われた。」と言う。何となく包帯や杖、サポーターは格好が悪いというのはわかるが、ではご自宅から当院まで一体何人の知り合いに会うだろうか?ほぼゼロであろう。友達と会うのなら色々と言われるだろうが、思ったほど人は見ていない。そうなると階段でも人混みでも平気で人はぶつかってくる。そんな時、「実は膝が痛いんです。」と言っても遅い。松葉杖、三角巾、サポーターなどは自分の身を守るために、人に知らしめる効果があるのである。以前、北海道の動物園に行った時に、たまたま家内が膝に怪我をしていて、サポーターをしていた。それを見た係員の方が、「車椅子をお使い下さい。並ばなくてもすぐ入れますから、大丈夫です。」と言われて、皆があざらし館で並んでいたのに車椅子の方は横から待たずに入れた。そんなに酷い症状ではなかったので、少し申し訳ない感じがしたが、世間の目というのはこういうものである。格好が悪いよりも安全が大事である。