勝手に良くなった方

常連さんの紹介で、腕や坐骨神経の痛みが治らない方が来た。話を聞くと、「今まで数件回ったが、すぐに戻ってしまう。全然良くならない。」と言う。身体を診ると「我慢強い」「根を上げない」「病気は仰山にしろ」「飲酒が多い」「噛み合わせにマウスピース」の問題点があったので、関連の話しかしていない。3回治療して3割楽になったという。1回の治療で1割取れればあと7回やれば全治である。しかし私からするとそんなに効く治療はしていないのである。治療している本人が言っているのだから間違いない。では何故毎回良くなるかである。それは「毒」を止めたので勝手に身体が治りだしたからである。それぐらい毒を止めると身体は治り出すものである。簡単な話、毒と胃薬を両方飲んでいる方が、「中々胃が治らない。」と言ったら、「毒を止めれば。」と言うだろう。「胃薬を増やしたり、変えたら?」とは言わないだろう。膝に「棘」が刺さっていて、「歩くと痛い。」と言われたら、「効く鎮痛剤を飲んだら?」とは言わずに、「棘を抜いたら。」と言うだろう。我々には「毒」や「棘」が見える。まずはそこから治療すれば身体は治りたくてうずうずしているのだから、自然に快方に向かうのである。我々から見れば勝手に良くなったわけである。患者さんにしてみると不思議かもしれないが、我々から見ると普通の出来事である。勝手に患者さんが治ったということになる。