年代別健康法のコツ-30代から70代までの50年間の心と体【まとめ】

【30代】体のこと別に気にしていない
まず30代の方の特徴は10代・20代と何も体が変わっていないと感じていることです。確かにアフターファイブも元気だし、多少徹夜してもへこたれません。ゴルフだって絶好調、体のことを考える事はありません。しかし皆さんの体を診るとそんなことをいっていられるのは33才まで、そこから5年で一つの転機が来ます。私は「男の38才説」と言っているのですが、仕組みは次の通りです。33才というと女性の厄年ですが男性にも関係がありそうです。仕事では一番勉強していてかなり知識も増え、やることなすこと結果が出て楽しく、いわゆるのっている時期です。食事も美味しく、残業だって大丈夫、寝ないでゴルフをやってもへこたれない。まさにsuper manの時期です。ところが33才を境に体が少しずつ変化をしてきます。昔と比べるとちょっと記憶力に冴えがない、以前はいくら食べても大丈夫だったのに胃を重く感じる、仕事が終わったあとに腰が痛くなる、最近寝ても疲れが取れない、肩こりがひどくなって最近何か治療をやろうかと思っている、眼の奥が時々痛む等、明確な変化が起こっています。そうです。体が変化しているのに細かい症状を見落としてしまい「20代と何も変わらない。」と過信しているのです。そして5年経つと明らかに今までと違う自分を味わう。少し自分の中で葛藤が始まり出します。「寝れば取れたのに楽にならない。気のせい?病気なんかするわけないよなぁ。」「たまたま今回仕事がきつかった、すぐおさまる。」38才になって落ち着いた症状は治療をしないと治まらないケースが多いです。「これが男の38才説」です。
まず40才までに1度は人間ドックは受けておくべきでしょう。出来れば胃と腸の内視鏡もやっておけば万全でしょう。次に自分の家系を調べます。いわゆる家族歴です。おじいちゃんが脳卒中だったとか、心臓病がいたとか、親父が糖尿病で治療しているとか自分にかかわる遺伝子のルーツを調べておきます。その病気になる確率は高いわけですから予防が楽です。次に問題なのは体重の増加です。寝しなに食事をしたり、つい接待で食べ過ぎしたり、飲み会の機会が増えたり、お腹が出てきて気になりだします。運動もしなくなり、脚も細くなると今度は坐骨神経痛の心配です。次に職場でのパソコン病も大きな問題となってきています。自宅では寝室になるべく電化製品を置かないようにして電磁波を予防します。長引く症状も納得いくまで専門家にご指導を戴くことも大事です。

【40代】昔と違うのは少しだけ-少し状況が変わってきた
40代の方の特徴は「若い頃とは違うけど大きな違いではない。」と思っていることです。症状は確かにあるけどそんなに悪いわけがないと思っています。時々お腹が重いとか、腰も以前みたいにすぐ治らないとか、白髪が増えたり、ほんの少しだけ記憶が悪くなったり、思い出せなくなったり、皮膚にしみが出たり、顔のしわが気になったり、老眼が必要になってきたり、階段の上り下りで以前みたいに連続で駆け上がれなくなったり、20・30代の人と一緒に行動するとちょっとだけ体力やパワーのなさを感じたり、本を読むとすぐに眠くなったり、書類を以前のようにこなせなくなったり、今までは感じたことのないシビレを感じたり、風呂上がりに自分の体を見たら体型の変化に愕然としたり、残りの寿命を数えたり、友人が突然亡くなったりちょっとだけ人生を考えます。今はいいですがやがて50代になったとき、一つの症状と闘います。今はその準備期間です。心の体の準備をして50代を迎えます。
40代は人間ドックは毎年必要です。コレステロールや中性脂肪が高いとか、血糖値のことも言われるケースがありますので、基本的な血液検査は必要です。年をとって問題になってくるのは基本的に「がん」と「血管」の問題ですから、がんは「腫瘍マーカー」を調べ、血管は「血圧とコレステロール・中性脂肪」を調べます。最近は肺炎クラミジアが動脈硬化の原因と言われていますのでそちらの検査も大切です。次に問題なのが「基礎体力」です。ある程度の低下はしかたないですが、ご自分の体型の変化を悲しく思うことも多いと思います。特に下半身・お腹が出てきて足が細くなる。車ばかりの生活であとはイスの座っているだけ。日曜日もごろり。日に10000歩歩けとは言いませんが、6000歩ぐらいは欲しいもの。ちなみに女性は家事で最低3000歩歩くそうです。体型の変化は当然食事が大きく影響します。昔みたいに腹一杯食べないと気が済まないという考え方は30代で終わりにした方がいいのではないでしょうか。焼き肉とビールで乾杯はほどほどに。体型の変化で出てくるのが坐骨神経痛です。学生時代から暴飲暴食で体に自信のある方で40代後半に坐骨神経痛を患う方はとても多いです。お腹と脚の変化が影響しています。時々出てくるのがこの「記憶力・想起力低下」です。忘れっぽいだけでなく、ものが出てこない。「えーっと・・・。あれあれ・・・。ほら・・・。わかるだろう。」もう40代から出てくる言葉です。脳は訓練以外に鍛える方法がありませんので、意識して訓練。しかし頭に重金属の沈着などがあればそちらの治療を優先させなければなりません。この頃には自分で自分の体をcheck出来るようになることが望ましいです。「早起きしたら腰が楽だった。」「便秘はこうやれば悪くならない。」自分が医者になって下さい。

【50代】明らかにおかしいけど-心と体の分離
50代の方の特徴は「明らかに何処かおかしい。」と感じていることです。ある意味、病院や人間ドックで何かひっかかれば手の打ちようもあるのですが、女性の更年期の問題にしても(最近は男性の更年期も深刻な問題ですが・・・)ホルモン注射をするほどではないし、体力は若い方と飲んでもこっちの方が遅くまでカラオケでガンガン歌えるし、多少睡眠が短くても何とかなっているし、でも何か分からないけど少し変・・・。お腹の症状でも血圧の症状でも薬がないと不安だし、本当に年取ったなぁと感じることがあるとか・・・etc。この50代を乗り切ればバラ色の60代が来るというのに、結構ここまでいい人生やってこれたじゃんと思っているけれど、時々不安になる、体の症状が抜けない。「本当に大丈夫なのかなぁ?」医者は「心配ないです。ひどくなればいらっしゃい。」と言うけれど、もう少しこの症状何とかならないかなぁ。雑誌で自分の症状に似たものがあると、読みふけってしまう。結構深刻なんだなぁと感じることがある。
50代も人間ドックは毎年必要です。男性は前立腺肥大症のcheckは必ずしてください。女性は子宮・卵巣・乳がん検査は必須です。ある程度、人間ドックを40代でやっている方は、何処を重点的に見ればいいかわかっていますので、自己コントロールがしやすいんです。昔よりは心も落ち着き、あまりあわてなくなってきていますので、馬鹿な行動は滅多にしません。多少のお腹の出っ張りは、しかたないと思っていますので、「医者に怒られない程度においしい物やお酒も楽しもう。」といった感覚があり、何となく行動にブレーキがかかり気味です。
昔を振り返ることが多くなり、自分のことよりも家族や孫の事に気がいき、仕事も以前ほど集中しなくてもこなせるし、何となく自分の人生を考えるようになってきます。時々「あと何年?」なんて口走ることも増えてきて、日常の些細なことに喜びを見つけたり、人の心がしみたり、自分でも「年を取ったなぁ。」と感じることがあります。たまには「このまま死んでもいいやぁ。」と思うこともあり、以前ほど人から色々なことを言われても、無反応な時と逆にしみる時が交互に来ます。「ここまでやってこれたんだから、もう十分。だけどもうちょっと・・・、もう一華、咲かそう。」なんて思ってもいます。何不自由なく、幸せに暮らしているのに、半分、心と魂が抜けたような状態も味わいます。この状態を卒業すると花の60代にはいるのですが、もう少し時間がかかりそうな年代です。自殺者が多い年代でもあり、満たされているようでも不安な年代です。心と体が分離しているようです。

【60代】花の60代、怖いものなし-自分のこと以外で忙しい
60代の方の特徴は「体は悪いが、だからどうした。」と思っている方が多いということです。50代は心と体の分離を受け入れられなくて悩みますが、60代になりますと特に女性は開き直りも出てきまして、「そんなこと言っても病気だから仕方がない。じたばたしても結果は同じ。だからドーンと行こう。」という感じで怖いものなしになってきます。女性に比べると少し男性はパワーがありません。定年後どうするか人生設計がしっかりしている方はいいですが、男性の場合、定年とともにめっきり老け込んでしまい、年賀状も激減という方が多いのは残念なことです。
これに対して女性の場合は、閉経後つらい更年期を終え、子育てや妊娠の恐怖から解放され「いよいよ私の出番。」とばかりに元気になります。「今遊ばないでいつ遊ぶの?」とばかりに、体力、気力、経済力、時間的余裕すべて兼ね備えて向かう所、敵なしです。「病気だから何よ。死ぬときは死ぬし、今は遊ぶ。」と固い決意で臨みますので、病気が小さく見えて仕方がありません。「70代になるとガクッと来るだろうし、今のうちに見る物は見て、やりたいことはやっておこうと、カラ元気がでたりして、自分でも怖いぐらい。」だそうです。ところが50代から背負っている病気が良くなったわけではありません。まぁ上手につき合う方法も身についてといった感じです。親の死んだ年も気になり始め、逆算したり、まだまだと思ったり、ちょっと複雑です。またこの年代は自分の体より親や孫の面倒を見たり、身内の面倒を見たりと忙しいのも特長です。

【70代】祭りの後の後かたづけ-何をやるにも億劫
この言葉は70代の方から聞いた言葉です。古稀のお祝いの時にポツリと漏らされました。「賑やかな祭りの後、人混みも途絶え、灯りも暗くなり、屋台を片づけている。皆帰り支度でだれも楽しそうにしゃべっていない。楽しかった60代が終わり、人生の集大成。どういう意味をつけようか。どうやってまとめ上げようか。人の道が気になり、身内をいとおしく感じ、すべてのものに優しくなれちゃう。時には人恋しくて誰かに話しを聞いてもらいたい。今までの人生で味わったことのない寂しさ。古稀とはうまいことをいったもので、ただ古くて稀なだけ。友達は何人かあっちの世界へ行っちゃったし、私がいなくなって、子供や孫はちゃんとやっていけるのかしら?体も70年も使っていればガタもきますよ。最近は何をしようにも体がいうことをきかないし、気力もなくなってきたし、人の名前なんか大分前から出てこない。面倒くさいことは嫌いだし、何をやるにも億劫になってきちゃって。朝、ちゃんと目が覚めて、起きられることが嬉しくて、時々、『このままでも・・・』と思っちゃう。先の約束は怖くて出来ないし、今日一日無事に終わってくれることを願う。最近は色々な欲もなくなってきて、あるのは「食欲」だけ。お腹がすくともう我慢できない。自分の人生を振り返ることばかりで『いい時代だったなぁ。』と口癖で出てしまう。」とこんな事でした。もちろんすべての方ではありませんが・・・。貴方はいかがですか?